From;
Sub;無題
---------------------
ママの携帯借りました!
忘れないでちゃんと
ケーキ買ってきてね!!
(`・∀・´)
--------END----------
携帯の着信を見て微笑む。
の誕生日を祝おうと、と俺とでサプライズをすることになっている。
―――はと、俺の子供だ。
の不思議な性格はに似たんだと思っている。でもそこがまた、可愛らしく思える。
いや、可愛い。に似て。そんなことを考える俺はやっぱり極度の親バカだ。
携帯を閉じて駅の通りのケーキ屋に向かう。
何を買おうか、チョコケーキ、ショートケーキか。チーズケーキ、はが食べられないんだった。
は何でも食べるからなあ、と唸りながらも一番シンプルなデコレーションケーキを頼んだ。
箱を揺らさないように気をつけながら急いで歩く。
鞄の中にしまいこんだ携帯を取り出し、自宅へ掛ける。
2コール目での声が聞こえる。
『もしもし?!パパ?!ちゃんとケーキ買ったー?!』
「は焦りすぎだよ、ちゃんと買ってきたから。」
『そ、そっか!そうだよね、ママには内緒ね、』
「分かってる。・・・、はどうしたの?」
『買い物、チーズ買いに行ってもらった!!食べらんないけど!』
無邪気に訳の分からないことを言うところも、やっぱり譲りだ。
「もう着くから、切るね。」
『はーい』
少し走ると家の窓から、が両手を振っているのが見えた。
片手で振り返し、門へと手を伸ばすと後ろから声を掛けられる。
「あ、精市おかえり!」
振り返るとが両手で買い物袋を持って立っていた。
「ただいま、。」
が笑う。
門を開け、片手で入るように促す。
もう片方の手で鞄と、ケーキの箱を揺らさないように持つと
急いでの持っていた荷物を持つ。
「ありがとう」
「どういたしまして。」
玄関を開けるの後ろ姿を見ながら、これから起こるサプライズと
彼女の反応を想像して微笑し、ゆっくりと玄関を閉めた。
マリンブルー・ソフィア
2011,3,29